Fitbitからガーミン、Apple Watchまで。特徴別、フィットネストラッカー15選
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体に身につけるほかのすべてのギアと同じく、フィットネストラッカーは非常にパーソナルなものだ。デザインが魅力的で着け心地が快適であるのはもちろん、あなたのライフスタイルや、ワークアウト習慣にもフィットしていなければならない。
サイクリング? ボート? 筋トレ? 何時間もトレイルを走る? 1時間ごとに席から立ち上がるようリマインドしてほしい? どんなニーズがあるにせよ、フィットネストラッカーは、ワークアウトを最適化したり、日々のルーティンを活性化させたりするのに役立ってくれる。フィットネストラッカーを手に入れようと思ったら、このリストを参考にしてほしい。
- Photograph: Fitbit1/15
オールラウンダー:Fitbit「Charge 6」
ほかのメーカー(特にApple Watch)との厳しい競争に晒されても、Fitbitのフィットネストラッカーは常にわたしを虜にしてきた。魅力的なデザイン、手ごろな価格、入手しやすさ、使いやすさのバランスが絶妙だ。一般レベルでフィットネスを楽しむ人には、きっとぴったりくるはずだ。
最新の「Fitbit Charge 6」は、親会社であるグーグルの多くのサービスと統合された。再設計されたアプリはモダンで整理されている。Google Mapsによるナビゲーション、Google Walletでの支払い、YouTube Music Premiumを使った音楽のコントロールが可能になった。また、推定皮膚温の記録や心拍数の毎日24時間測定、心電図機能、活動や睡眠スケジュールの追跡もグーグルのサービスと連携するアプリで可能になった。バッテリーもちは1週間以上と長く、物理的なボタンも復活。これらすべてが160ドル(日本では23,800円)という価格で提供される。
関連記事:「Fitbit Charge 6」はグーグルのサービスとの連携強化で利便性が向上した:製品レビュー
Fitbitの多くの優れた機能を利用するにはFitbit Premiumサブスクリプションが必要になるが、より高価なApple WatchやGoogle Pixel Watch 2ほどのプレミアム感や魅力はない。しかし、手ごろな価格の基本的なフィットネストラッカーを求めるなら、Fitbit Charge 6に勝るものは少ない。
- Photograph: Garmin2/15
惜しくも次点:ガーミン「vívomove Trend」
フィットネストラッカーの最大の悩みの種は、充電器のタイプがバラバラなことだ。スマートフォンやイヤフォンをQi対応のワイヤレス充電器で充電する便利さに慣れていると、特定の充電器を探すのは本当にわずらわしい。「vivomove Trend」は、ガーミンから初めてワイヤレス充電に対応したモデルで、しかもそれがちゃんと機能する。
Garmin Connectはガーミンの独自アプリで、すべてのフィットネス記録を追跡してくれる。わたしがこれまで使ったなかで最も包括的で実用的なアプリのひとつだ。2023年、��ーミンはそれを再設計し、Fitbitに少し似たデザインになった。上部にはBody Battery(ガーミンが日中のエネルギーを測定する指標)が表示される。vivomove Trendを通じて、アナログ時計の文字盤、GPS、事故検知、非接触型決済、睡眠トラッキング、継続的な心拍数モニタリングなど、ガーミンの便利なフィットネス機能を簡単に利用できる。
関連記事:ワイヤレス充電ができるガーミン「vívomove Trend」は、電池切れの心配から解放してくれる:製品レビュー
しかし、ガーミンには定期的にセールが行なわれるモデルがたくさんある。22年のvivomove Sport(税込29,800円)ははるかに安く、見た目もほとんど同じだ。ただし、vivomove Trendは充電器を交換する必要がないのがいい。
- PHOTOGRAPH: JULIAN CHOKKATTU3/15
iPhoneユーザーに最適:アップル「Apple Watch Series 9」
Apple Watchを何年も使い続ける人は多い。それも当然で、iPhoneユーザーであればApple Watchは最高のフィットネストラッカーだからだ。いま出ているなかで最高品質なのは「Apple Watch Series 9」だろう。見た目はほかのApple Watchとほとんど変わらないが、Siriコマンドの処理を高速化する新たなチップセット「S9」を搭載している。バッテリーの寿命が著しく向上し、理論的には、機密性の高い医療データのプライバシーがより強固に保護されることになる。 また、第2世代のUWB(超広帯域無線)チップにより、iPhoneを素早く正確に探し出せる。
23年10月には、アップルのアクセシビリティの知見を取り入れた「ダブルタップジェスチャー」という新たな操作方法も登場した。Apple Watchを装着している手の人差し指と親指をつまむようにくっつけて2回タップすと、その微細な動きを加速度センサー、ジャイロスコープ、光学センサーが検知する。例えば料理中、キッチンで音楽やタイマーを開始・停止するのに適している。
関連記事:「Apple Watch Series 9」は着実に進化したが、“心の状態”を記録する機能には違和感もある:製品レビュー
最新の「watchOS 10」に対応しており、新しい文字盤、再構築されたアプリ、より多くのヘルス関連機能が追加された。 第2世代の「Apple Watch SE」もそのアップデートにほとんど対応しているが、手首での体温感知など、より高度なセンサーは搭載されていない。
【追記】現在、アップルは最新のApple Watchに関して複数の訴訟にあたっている。血中酸素センサーに関する特許侵害のほか、心電図機能に関する特許侵害も主張された。現在、Appleのウェブサイトでは、血中酸素センサーが無効化されたSeries 9のみ購入可能だが、ほかの小売店では禁止されたバージョンがまだ見つかるかもしれない。
- Photograph: Amazon4/15
お財布に優しい:Fitbit「Inspire 3」
歩数や睡眠を記録し、電話を通知するシンプルなヘルストラッカーが欲しいだけなら、インターネットには「Fitbit Inspire 3」のコピー商品があふれている。それらに80ドル出すなら、オリジナル(12,800円)を買ったほうがいい。人気の高いInspireシリーズの最新作は、(わたしの見解では)ありがたいことにWear OSが搭載されていない。代わりに、わかりやすく簡単なFitbitアプリを引き続き採用している。歩数、血中酸素飽和度(SpO2)、睡眠の記録が可能で、多くの文字盤とアクセサリーが付属している。
関連記事:Fitbitの新製品は「Wear OS 3」を搭載せず、使いやすさに磨きをかけた
ただし、すべてが順調だったわけではない。接続の問題があり、Inspire 3が1〜2日間タイムゾーンを更新しなかったため、携帯電話を再起動する必要があった。また、Inspire 3はわたしの睡眠時間を過大評価することがあり、新しい「睡眠プロフィール」機能に対して不信感を抱いている。2カ月間、わたしは夜間の慢性的なせきに悩まされていた。Inspire 3はわたしが横になっているだけで規則的に7時間の睡眠を記録していたが、より感度の高いフィットネストラッカーを使用したところ、実際の睡眠時間は5時間とかなり正確に計測された。
しかし、健康上の問題がないのであれば、コピー商品よりも信頼性が高く、頻繁にセールも実施されているので、おすすめではある。
- PHOTOGRAPH: JULIAN CHOKKATTU5/15
Androidユーザーに最適:Samsung Galaxy Watch6 / Watch6 Classic
Galaxy Watch5とは違い、Watch6 Classicでは素晴らしいクリック感のある回転ベゼルが復活した。この機能は楽しく触感がよく、多くのスマートウォッチやフィットネストラッカーには見られない特徴である。それ以外では、Watch5とあまり違いはなく、これはいいことだ。Watch6 Classicは43mmまたは47mmのケースで提供され、回転式ベゼルがない標準のWatch6は40mmおよび44mmのケースで提供される。
関連記事:サムスンの「Galaxy Watch6 Classic」は回転ベゼルのメカニカルな操作感が心地よい:製品レビュー
Watch6はWear OSを搭載しているため、Google MapsやGoogle Assistantにアクセスできる。通常のSpO2測定、自動ワークアウト検出、睡眠トラッキング、不整脈通知のほか、血圧測定機能(米国、日本では利用不可)もある。Samsungのスマートフォンとペアリングしたユーザーのみに利用が制限されている機能もある(ECGと呼ばれる心電図機能など)。デザインを重視するならPixel Watchを選ぶべきだし、サムスンのスマートフォンを持っていないならガーミンを選ぶべきだ。しかし、全体としては、楽しい機能を備えた非常に有能な時計である。
★ 代替案:もしガーミンからどうしても選びたい場合はどうするのか? このカテゴリーでのガーミンのエントリーはVenu 3(460ドル、日本では60,800円)である。ベゼルにはステンレススチール、ディスプレイにはCorning Gorilla Glassを使用し、バッテリー寿命は驚異の2週間である。ワークアウトトラッキングのためのガーミンのGNSSマルチバンド機能と、優れた独自の健康ソフトウェアを備えており、新たに昼寝検出機能付きのスリープコーチ、モーニングレポート、Body Batteryが追加されている。ただし、価格が高く、体温センサーがなく、内蔵マイクとスピーカーの音質は非常に悪い。
- PHOTOGRAPH: JULIAN CHOKKATTU6/15
Wear OSに最適:グーグル「Pixel Watch 2」
「Google Pixel Watch 2」には多くの欠点があるものの、このラインナップのなかでも最高に魅力的なフィットネストラッカーだ。手首から外すのが難しいと感じている。このモデルは、『WIRED』のレビュー記事にもあるように、期待されていたすべてを備えているのだ。
Wear OS 4.0を搭載。スピーディなプロセッサーのおかげで健康指標の追跡が簡単で、アップデートされた美しいFitbitアプリでそれらを見ることができる。これには、心電図測定、睡眠トラッキング、心拍数測定、血中酸素測定が含まれ、さらにFitbitから借りた健康管理機能もあり、電気皮膚活動センサー(cEDA)、心拍数、皮膚温を使用して、ストレスを感じたときに散歩を勧めてくれる。
関連記事:グーグルの「Pixel Watch 2」は、初代に欲しかった機能をすべて搭載した進化版:製品レビュー
以前の充電器は使用できないので、新しいものを買う必要がある。そして、毎日充電が必要だ。3-in-1のアップル製品用充電器を家やオフィスの至るところに置いているので、それと比べると少し面倒である。
- PHOTOGRAPH: REI7/15
ランニングウォッチのベスト:ガーミン「Forerunner 165」
最高のランニングウォッチは、おそらく常にガーミンのForerunnerシリーズだろう。このシリーズはガーミンのなかでも最も古いラインのひとつで、基本機能のみのForerunner 55から高価なForerunner 965までさまざまなモデルがある。
それぞれ異なる仕様や機能をもっており、例えば安価なモデルはディスプレイが劣り、血中酸素センサーが搭載されていない。しかし、すべてのモデルが正確な位置情報を提供する複数の衛星システムにアクセスでき、ガーミンの独自のトレーニングアルゴリズムにもアクセスできる。ガーミンのワークアウト提案は柔軟だ。
関連記事:ガーミン「Forerunner 165」は、豊富なデータとランニングプランが健康に役立つフィットネストラッカー:製品レビュー
以前のモデルがセールで手に入るならお買い得だ(例えば、Forerunner 255)。しかし、わたしは多くの人にとってForerunner 165がいい妥協点だと思う。価格帯としては手ごろな部類に入りつつも、明るい有機EL(AMOLED)ディスプレイ、高度計、血中酸素センサーなど必要な機能をすべて備えている。睡眠とワークアウトのトラッキングはかなり正確で、バッテリーもちもいい。特に気に入っているのは、昨夜の統計情報、天気、そして今日の準備状況をまとめて知らせてくれる「モーニングレポート」機能だ。Musicモデルは少し高いが、それほどの価値があるかどうかは微妙だ。でもそれ以外は、ハイレベルのランナーにも十分に対応できそうな、堅実な選択肢だろう。
★代替案:ガーミンのForerunnerラインがこれほど優れていなければ、この位置にいるのは、カロス(Coros)の「Pace 3」(229ドル、日本では33,000円)だろう。カロスはバッテリー消費が少ないスクリーンを使用しているため非常に軽量で耐久性がある。それに加えて快適で、バッテリー寿命も非常に長い。以前、2週間充電せずに使用できたことがある。2周波GPSがインターバル走をシームレスに追跡してくれる。パンくずリストナビゲーションなど、高価なトラッカーと同じこともできる。しかし、1980年代風の外観と暗い画面に、あまり魅力を感じない人もいるだろう。
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アナログでベスト:Withings「ScanWatch 2」
フィットネストラッカーに見えないフィットネストラッカーが欲しいなら、Withings「ScanWatch 2」がおすすめだ。以前はオリジナルのScanWatch(その前のWithings Steelも)を愛用していたが、このバージョンには、快適さ、見た目のよさ、長いバッテリー寿命、そして包括的な健康機能など、お気に入りだった機能がたっぷりと含まれている。また、体温の常時計測機能、新しい充電器のほか、不幸にも値段の大幅な値上げも含まれている。
同僚による『WIRED』のレビューでは、ヘルスケア機能が包括的であり、特に新しい温度追跡機能が一般的に正確であると評価していた。わたし自身もテストしてみたが、生理周期はOura Ringほどの正確さでは予測できなかった。また、オンボードGPSがなく、多くの機能が月額10ドルのサブスクリプションがないと使えない。もしこれが少し高すぎると感じるなら、「ScanWatch Light」(250ドル、日本では39,900円)を検討してほしい。ECG、異常な心拍数の警告、血中酸素測定、体温の常時測定機能はないものの、100ドル安い。
★代替案:最近テストして気に入ったのはガーミンの「Lily 2」だ。これはLilyラインの数年ぶりのアップデートだ。ガーミンのなかでも最も小さいモデルのひとつで、バッテリー寿命は比較的短く、3〜4日程度の使用が可能だ。しかし、血中酸素トラッキング、Body Batteryや転倒検知といった標準的なGarminの機能を備えている。Corning Gorilla Glassをディスプレイに使用しており、ベゼルは金属製だ。
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アウトドア用でベスト:ガーミン「epix Pro (Gen 2)」
ガーミンは、スポーツウォッチのハイエンドモデル「epix Pro」(定価税込13万2,000円〜)と「fēnix 7 Pro」(定価税込12万1,000円〜)の改良版を発表した。第1世代のepixは限られたバッテリー寿命と巨大なケースが不快だったが、第2世代は3つのサイズ展開があり、バッテリー寿命はなんと2週間だ。いまでは、わたしのお気に入りのスポーツウォッチのひとつである(『WIRED』のレビューはこちら)。
主な違いはスクリーンにある。epix Proには引き続き明るい有機EL (AMOLED)ディスプレイが採用されており、fēnix 7 Proにはそれほど明るくない液晶のメモリインピクセル(MIP)ディスプレイだ。fēnix にはソーラー充電の機能もあり、これによってバッテリーの寿命はかなり延びるが、epix Proのバッテリーは1週間のキャンプでも十分もつことがわかった。AMOLEDは鮮明で明るく、屋外でのランニングや登山で違いが際立つ。また、LEDフラッシュライトや赤色LEDモードなど、夜間の屋外トレーニングに便利な機能もある。
関連記事:ガーミンの「epix Pro (Gen 2)」はAndroidユーザーにとって最高のフィットネストラッカー:製品レビュー
ランナー向けには、最も近いチェックポイントを確認できる新機能「Up Ahead」や、ガーミン独自の数十種類のトラッキング機能で十分な評価が万一得られない場合に、持久力をチェックできる新機能「持久力スコア」もある。
★ 代替案: カロスのスポーツウォッチの評価が、わたしのなかで着実に上がっている。スノーボード中に転げ落ちたとき、誤ってアクティビティやトラッキングを開始・停止するのを防いでくれるロック機能などがいい。ガーミンと同じ機能を半額で提供するカロスの「APEX 2 Pro」を実際に使ってみた結果、とても気に入った。
- Photograph: ŌURA10/15
ベスト・スマートリング:第3世代「Oura Ring」
スマートリング「Oura Ring」の第3世代モデルが出た当初、わたしは不満を抱いていた。新機能が利用開始になる前から、ユーザーに新モデルへのアップデートと月額6ドル(日本では月額999円)のメンバーシップ加入を強くすすめていたからだ。
関連記事:スマートリング「Oura Ring」の第3世代モデルは優秀な健康トラッカーだが、まだ不便な点もある:製品レビュー
それでも、Oura Ringのようなトラッカーはほかにない。内蔵センサーは正確かつ高感度だ。わたしたちが手にできるベストな睡眠トラッカーである。メンバーになるとガイド付き瞑想プログラム、パーソナライズされたインサイト、教育コンテンツにアクセスできるようになる。一方、課金しなければ、基本的な3つのスコア(コンディション・睡眠・アクティビティ)しか表示されない。つまり、第1世代のOura Ringと基本的には変わらないのだ。
あなたが生理周期の予測に苦労しているなら、生理直前の0.5℃ほどの体温低下も感知してくれるこのOura Ringが役に立つかもしれない。フィンランドに本社を置く同社はEUの一般データ保護規則(GDPR)を遵守しており、米国の保健当局は同社からデータを収集できない。
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サブスクリプション込みのベストリング:Ultrahuman「Ring AIR」
Oura Ringが2015年にデビューして以来、スマートリングの人気は高まった。シンプルで控えめなスマートリングを探していて、月額サブスクリプション料金を払いたくないなら、Ultrahuman「Ring AIR」は素晴らしい選択肢だ。
関連記事:Ultrahumanのスマートリング「Ring AIR」は“終身サブスクリプション”込みで着け心地がいい:製品レビュー
この軽量で目立たないリングには、PPG(光電式容積脈波記録法) のセンサー、医療レベルの非接触式皮膚温度センサー、6軸モーションセンサー、心拍数と血中酸素飽和度をモニタリングするカラフルなLEDが搭載されている。また、IPX8の防水性能をもち、シャワーやプールでの使用も問題なく、バッテリーは約4日間持続する。『WIRED』のレビュー記事では、睡眠トラッキングは優れているが、ワークアウトトラッキングには改善の余地があるという評価をしている。
- Photograph: WHOOP12/15
身につけやすさでベスト:WHOOP 4.0(サブスクリプション加入)
フィットネストラッカーの最大の問題は、運動時に邪魔になることだ。例えば、ロッククライミング中にOura Ringは装着できない。カルト的な人気を誇るWHOOPは2021年、「スマート衣類」のラインを発表した。WHOOPをウェアに装着し、ガーミンのウォッチでランニングをトラッキングできるのだ。
WHOOPは、やや難解なメトリクスでも解釈できるアスリートに最適だ。「Daily Strain」は心血管系の負荷だけを測定する。そのため、往復5km歩いた日は、1時間ウエイトリフティングをした日よりも“ハード”だったと認識するのだ。WHOOP 4.0は前モデルよりも小型で、新型バッテリーが搭載されているが、充電の問題が発生した。常にアプリを起動しておかないと、「即座にアップデートができない」と警告され続けることになる。
昨年、同社は新たに「AIコーチ」機能を導入したが、あまり役に立たなかった。わたしの睡眠不足の理由は仕事や子どもだが、どちらもすぐにどうこうできることではないからだ。さらに、月額30ドルのサブスクリプションはこの記事で紹介しているもののなかで最も高額だ。ウェアはサイズのバリエーションが少ない。これらの点を差し引いても、WHOOPはわたしが身につけていることを忘れられた唯一無二のウェアラブル端末だ。
- Photograph: Casio13/15
定番をアップデート:カシオ「G-SHOCK GBD-H2000」
アウトドア派には定番の時計、G-SHOCK。ゴツくて、頑丈で、長持ちする(キアヌ・リーブスが『スピード』で着用していた時計、というイメージが強い)。「G-SHOCK GBD-H2000」はクラシックなG-SHOCKの外観と機能性に加え、Bluetooth接続を備えている。Polarとの新しいパートナーシップを結んで生まれたモデルだ。
きめ細やかなフィットネスデータ収集で知られるPolarは、25種類のアルゴリズムをパートナー向けにリリースした。カシオがその最初の例だが、使ってみて機能には少し調整が必要だと思った。CASIO WATCHESアプリに接続するのだが、デザインが魅力的とは言い難く、操作しづらい。さらに、Polarの生体認証は読み取りが難しい。
GPSへの接続も、わたしが試したほかのトラッカーより遅い。屋外のランニング記録は精度が低かった。ショートパンツ姿で震えたまま接続を待っていられなくて、走り始めることが多かった。
それでもG-SHOCKだ。バッテリーは10日持続する。ディスプレイもクリアで見やすい。ボタンのクリック感が楽しく、操作しやすい。そして、いままで着けたどのG-SHOCKよりもずっと軽くて着けやすい。睡眠解析も、これまで試したどのトラッカーよりもかなり詳細だ。スマートなフィットネストラッカーが欲しかったけれど、クラシックなカシオも捨てがたい。そんな人にぜひ検討してもらいたい。
- Photograph: Apple14/15
週末戦士に最適:アップル「Apple Watch Ultra 2」
アップルの頑丈なアウトドアウォッチの新モデル「Apple Watch Ultra 2」は、より高速な新「S9」チップとUWB(超広帯域無線)接続を可能にする「U1」チップを備え、WatchOS 10に対応している。衝撃的な明るさ(3,000ニト)のスクリーンは、雪の反射で眩しいなかで画面を見るのに理論上便利だ。晴れた日の川沿いで見たときに、3,000ニトとiPhone 15の2,000ニトの違いをわたしは感じなかったが、もしかしたらあなたには違いがわかるかもしれない。
関連記事:「Apple Watch Ultra 2」はアウトドア機能がさらに充実。ただしiPhoneと一緒に使う場合に限る:製品レビュー
アップルは、ユーザーが電話なしで過ごすことはほぼ諦めているようで、Apple Watch Ultra 2の最も便利な機能の多くは、iPhoneと連携して初めて利用できる。例えばオフラインマップは、iPhoneのBluetooth圏内にいて、事前にダウンロード済みの場合に限られる。
WatchOS 10では、サイクリングワークアウトを開始すると、iPhoneが事実上のサイクルコンピューターになる。Watch Ultra 2とiPhoneの組み合わせは専用のスポーツウォッチほどの機能は提供しないが、Apple Watchが提供する完全なスマートウォッチ機能を求めるなら十分だろう。
注意すべき点がある。前述のSeries 9同様、Appleのウェブサイトでは現在、血中酸素センサーが無効化されたWatch Ultra 2しか購入できない。
- PHOTOGRAPH: GARMIN15/15
レビュワーお気に入り:ガーミン「Instinct 2S Dual Power」
これまで挙げてきたスマートウォッチから、2週間のビーチ旅行のお供にわたしが選んだのが「Instinct 2S Dual Power」だった。ガーミンで最も人気のあるアウトドア向けスマートウォッチのひとつで、ややずんぐりとしたテクニカルな美しさ(そして楽しいカラーバリエーション!)と、バックカントリーに適した機能を兼ね備えている。Instinct 2S Dual Powerがあれば、ガーミンの複数の衛星システムとナビゲーション機能、異常なほどのバッテリー寿命、多くのスポーツに特化した測定機能を利用できる。
主な改良点は、ソーラー充電機能の向上、高解像度ディスプレイ、小ぶりなケース(40mm)だ。手首にもジャケットの袖にもフィットするし、ディスプレイも見やすい。1日に複数の追跡機能を使っても、バッテリーはなんと21日も持続した。
カラーバリエーションも豊富で、スポーツに特化したスタイルもある。例えば、人気のSurf Edition(Tactical Editionもある)は、波予報などサーフィン専門のコンテンツを配信するSurflineとアプリで接続可能で、潮汐データを見たり、サーフィンの記録を取ったりできる(色も最高だ)。
★ 代替案: Instinctとvívomoveのラインで迷っているなら、ガーミンの「 Instinct Crossover Dual Power」がおすすめだ。Instinctの頑丈な機能とガーミンのソーラー充電対応ディスプレイが組み合わさっている。Instinctやvívomoveに比べると直感的な操作性はやや劣るが、アナログ針は便利だし、バッテリーの持ちもいい。
(Originally published on wired.com, translated by Mamiko Nakano)
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