『ファイナルファンタジーVII リバース』序盤プレビュー チャプター2までをプレイした感想

チョコボにミニゲーム、そして新たなオープンワールドを体験した

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『ファイナルファンタジーVII リバース』のプレイ感覚は、前作『ファイナルファンタジーVII リメイク』と非常に似ている。これに関しては大体の人が予想していたはずだ。FF7リメイク三部作の2作目となる本作は、『ファイナルファンタジーVII リメイク』の延長線上にあるように感じられ、またしても大胆な再解釈が行われたわけではない。それでも3時間にわたる実機プレイの中で、「リバース」でも重要な新要素がいくつも用意されていることがわかった。「リメイク」から続くクラウドと仲間たちの冒険は、フルプライスの拡張パックのような形ではなく、正真正銘の続編といった形になりそうだ。

今回のハンズオンデモでは、『ファイナルファンタジーVII リバース』における最初の2つのチャプターを遊ぶことができた。ゲームの冒頭では、オリジナル版にもあるニブルヘイム事件がこのリメイクで再現されていた。これはセフィロスの過去が明らかになり、悪の道を進む最大の理由が示される重要シーンである。シンプルな作りのエリアで一本道のルートを進んでいき、すさまじく力の入った戦闘シーンとキャラクター描写でゲームを盛り上げていく。この構造は「リメイク」でもほぼ同じで、私はこのデザインを気に入っていた。「リバース」でもそれは同じだ。

チャプター2に突入すると、「リバース」で大きく変化した点が目立つようになってきた。街中の通りや屋内の通路といった狭苦しいエリアが多いミッドガルとは正反対に、このチャプターでは草木が生い茂る広大な土地「グラスランド」で自由行動となる。ここが本当に切れ目のないオープンワールドなのか、それとも広いが複数のエリアで区切られているのか、デモを遊んだ限りでは判断しにくかった。だが昨年発売された『ファイナルファンタジーXVI』で冒険した世界と比べると、「リバース」の一エリアであるグラスランドでは広々とした印象をさらに感じることができ、自然の描写に関してもより本物に近づいた。

グラスランドは最初こそ殺風景な印象を受けたが、ここに点在している「レムナウェーブ・タワー」を発見して起動していると私の考えはすぐに変わった。オープンワールド作品ではおなじみのシステムであり、塔を起動すればさまざまなアクティビティがマップ上で解放され、サイドクエスト的に楽しむことができるのだ。時間が限られたデモであるため、残念ながら本格的に寄り道をすることはできなかったが、アクティビティの種類としては狩りのような戦闘や、アイテムの回収などがあった。「リバース」のこういったアクティビティは本作の目玉コンテンツではないとは思うが、前作「リメイク」や『ファイナルファンタジーXVI』の単純なサイドクエストより楽しいものとなるはずだ。少なくとも、今回のサイドクエストでは、仕事をこなすだけの価値がある報酬を提示される。たとえば、世界にいるモンスターをスキャンして倒せば、本作にも存在する「神羅バトルシミュレーター」がアップグレードされ、そこで課題をクリアすれば新たな召喚マテリアが解放される。これは戦闘中に使用でき、非常に強大な味方を呼び出す魔法の玉だ。

小さな町カームの周辺とその先に広がるグラスランドは、オリジナルの『ファイナルファンタジーVII』と比べると構造が大きく変化している。それでも、同じ雰囲気を感じることはできた。美しい森の中にはチョコボファームがあり、やはりグリン、グリングリン、クリンの3人が世話をしていた。草原をさらに進むと不気味な沼地エリアが見えてきて、ここは凶悪なモンスターであるミドガルズオルムが生息する危険地帯だ。「リメイク」と同じように、「リバース」でも原作にあったエリアは大幅に広く、より詳細に描写されたものへと変化している。数分で探索が終わったような場所でも、今回は数時間ほど過ごして楽しむことができるだろう。

今回のクラウドは移動能力が向上しており、小さめの障害物なら簡単に飛び越えることができる。さらに黄色いポイントには掴まって登り、別のポイントに飛び移ることも可能である。そのため大きくなったエリアでも、移動は楽々でスムーズな印象だ。「アンチャーテッド」シリーズほどに移動の自由度があるわけではないが、「アウトドアの冒険」をしている感覚がはっきり得られる。羽の生えたチョコボに乗ればもちろんすばやく移動することができ、広大なエリアの探索をする準備は万端になるだろう。

むろん、グラスランドは自然が豊かなだけの平和なエリアではない。大勢の敵がここでうろついており、「リメイク」で実に楽しかった戦闘は「リバース」でも健在だ。今回は仲間を自由に入れ替えることができ、好きな3人を選んで戦闘に出せる。パーティは3種類まで作成することができ、探索している間は瞬時に切り替えられるため、状況に適したパーティをあらかじめ用意しておくことができるのだ。大型の敵を見つけたなら近接攻撃に長けたクラウド・ティファ・レッドXIIIのパーティに切り替え、空を飛んでる敵と戦うなら遠隔攻撃に長けたクラウド・バレット・エアリスのパーティに切り替えるといった具合に。

本作では、レッドXIIIがプレイアブルとなり、爪を使った素早い連続攻撃ができる。レッドXIIIは「リベンジゲージ」が防御成功時に溜まっていき、発動させれば攻撃力と回避スピードをさらに伸ばすことが可能となる。そして新キャラクター以外にも、戦闘に関する重要な要素が追加されている。「リメイク」のDLCで追加された「連携アビリティ」は、「リバース」でも使える上にさらに拡張された。スキルツリーシステムも追加され、マテリア以外の形でもキャラクターを強化できるようになった。「リメイク」は「ファイナルファンタジー」の戦闘とキャラクター育成を良いバランスで楽しめるゲームであったため、「リバース」では戦闘・育成に関する要素があまりにも増えてしまいそうな懸念はある。だがデモで確認できた新要素はおもしろく、戦闘での奥深さと幅をさらに広げてくれることを私は期待している。

PS1の原作『ファイナルファンタジーVII』で一番人々の記憶に残っているのはやはり、衝撃的なキャラクターの死と直面し、飛空艇を乗り回し、奇妙な武器を見つける冒険だったはずだ。しかし、私はたくさん用意された愉快なミニゲームも大好きだった。「リメイク」ではバイクでの逃走ミニゲーム、蜂蜜の館でのダンスなど、「三部作でさまざまなタイプの体験を全力で用意する」ことを確実にした。「リバース」でも、愉快で奇妙な要素が多く用意されているのはうれしいことだ。ゲーム内のカードゲームとして「クイーンズ・ブラッド」が用意されており、これは3つのレーンにカードを配置して最高得点を取るのが目的だ。トリプルトライアドが大好きだったプレイヤーなら、また夢中になれることだろう。屋外のエリアでは、チョコボを捕まえるための愉快なステルスゲームが可能だ。チョコボから見つからないように草むらに隠れ、小石を投げては注意を引き付ける。チョコボをうまく捕まえたら、もちろんチョコボレースに挑むのだ。

これらのアクティビティはゲームデザインの最高峰にあるわけではないが、重要なのはそこではない。探索・戦闘・育成の繰り返しであるRPGの本編から、奇妙な形で一息つけるのが最大の魅力である。原作の『ファイナルファンタジーVII』でもそれは同じであり、さまざまな雰囲気を味わうことができたので、スクウェア・エニックスがこの重要性を理解しているのはうれしいことだ。もっとも、一部の新アクティビティに関してはあまりおもしろくないものもあった。重たい掃除機で魔晄の毒気をノロノロと掃除するミニゲームは、一度クリアした後はもう無視したいところだ。

原作の要素が再現されているのもうれしいが、このリメイク三部作の特性は展開や内容が変化していることだ。全体的に見れば、今回の「リバース」デモでは物語の展開はそこまで変わっていないように見えた。チャプター1では二ブル山へ登る過程が原作そのままに再現されているが、今回はマテリアキーパーとの戦闘がある。またセフィロスを直接操作することもでき、やはり非常に強力な攻撃技を備えており、パリィを駆使して戦うのがとてもカッコいい。

チャプター2ではより大きな物語の変化を見ることができ、カームではアバランチを追う神羅兵士たちが空から降下して襲ってくる。そのためクラウドと仲間たちは、グラスランドへと逃げることを強いられる。原作ではそこまで大きな出来事が起こらなかった箇所で、高い緊張感を発生させる変更点であり、クラウドは高所を忍び足で歩きながら兵士の目を避ける必要が出てくる。だがここで隠れて移動することを実際に強いられるわけではなく、兵士に見つかったり失敗したりする恐れは一切ない。つまりこの逃走で起こる緊張はナラティブ的なものでしかなく、ゲームプレイへの影響はないということだ。それでもこの襲撃イベントによって、多くのゲーマーが知る原作の物語がよりおもしろく変化したことは明確である。

スクウェア・エニックスは、リメイク三部作の第1作『ファイナルファンタジーVII リメイク』で確実な成果を出した。充実した「リバース」のハンズオンデモを遊んだ私は、ここでも彼らの威信を感じられた。「リバース」の最も目立つ新要素はオープンワールドであり、実にうれしい追加点だが、そのほかのアクティビティの仕上がりについてはまだ不明瞭なところもある。それでも本作の戦闘・キャラクター・物語は「リメイク」に続いて最大の目玉となり、間違いなくプレイヤーを夢中にするであろうと、私は感じている。これら核となる要素のクオリティは、前作からまったく落ちている気がしない。歴史的なRPG『ファイナルファンタジーVII』を再構築するリメイク三部作は、「リバース」によって順調に引き継がれていくことだろう。

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